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『APS-C』と『フルサイズ』の違いとは
・『APS-C』はデジタル一眼カメラの開発とともに登場したセンサーサイズ。フィルムカメラより画角が狭い
・コンパクトで扱いやすい。軽量なため手ブレもしにくい。
・フルサイズカメラと比べ、画角が1.5倍されるので望遠効果が得られる。マクロ撮影や商品撮影など、望遠撮影時に真価を発揮する。
・レンズの種類も多い。
・『フルサイズ』は、センサーサイズがAPS-Cの1.5倍。フィルムカメラとほぼ同じ画角。
・基本的に画素数もくトリミング耐性が強い。
・APS-Cと比較して、ボケが大きい。
・広角レンズが本領を発揮する。
・センサーが大きいため画質が良く、また暗所に強い。
・連射性能やボディの頑丈さなど、カメラの基本的性能が高い。
今や簡単に手に入るようになった一眼カメラ。じつは一眼カメラにはグレードが存在することご存知でしたか?
初心者~中級者用が『APS-C』機、中級者~プロクラス用が『フルサイズ』機とされています。すでにカメラをお持ちの方はご存知かもしれませんね。
ところで、この2つ、価格以外の違いについて、知っていらっしゃいますか?
カタログ上の文字では違いが分かるけど、じっさい2つのセンサーサイズには、いったいどのような違いがあるのでしょうか?そもそも『APS-C』・『フルサイズ』とはなんなのでしょう?
今回は『APS-C』・『フルサイズ』の違いについて、仕組みや特徴を交えながらご紹介していきます!!
デジタルカメラ専用の『APS-C』・フィルムカメラと同じ感覚の『フルサイズ』
『APS-C』センサーと『フルサイズ』センサーの違いを解説していく前に、まずはデジタルカメラの歴史を振り返ってみましょう。
カメラはレンズを通過してきた光をシャッターによって区切り、撮影素子と呼ばれる装置で写真に変換しています。
デジタルカメラが開発される以前に使われていた『フィルムカメラ』で撮影素子の役割を果たしていたのは『フィルム』です。フィルムカメラは、使用できるフィルムによって画像サイズが変化する特徴があり、一般的だったのは『35㎜』といわれる規格でした。最も普及したのは、ライカ社が採用したことで広まった・24㎜×36㎜のフォーマットです。
時がたち、デジタルカメラ専用サイズの撮影素子・『APS-C』(Advance Photo System type C)センサーが開発され、段々とフィルムカメラは一線を退いていきます。
APS-Cセンサーを搭載したデジタルカメラは、コンパクトなサイズや量産性の高さなど、から、メーカー・消費者双方から人気を集め、広く普及していきました。
しかしAPS-Cセンサーにはデメリットもあり、撮影素子の面積が35㎜フィルムの半分ほどでしかなかったのです。そのため35mm用に生産・表記されていたレンズの焦点距離も、APS-Cセンサーに合わせて約1.5倍の計算をする必要性が生まれてしまいました。
やがてデジタル一眼カメラの技術が発達し、フィルム時代とほとんど同じサイズのセンサーが開発されました。このセンサーサイズを、フィルム時代の時代の規格とほとんど同じ(フル・full)サイズであることから『フルサイズ』と呼びます。
フルサイズ機はAPS-C機と違い、レンズの焦点距離を約1.5倍する必要はなく、フィルムカメラと同じ感覚で使用可能。しかし製造コストの高さから高価で、気軽に手を出せないのがデメリットです。また重量も重くなりがちという欠点も。
このような歴史から、エントリー~ハイアマチュア用のAPS-C機、ハイアマチュア~プロ用のフルサイズ機といった使い分けがされるようになってきたのです。
扱いやすさと1.5倍の焦点距離 望遠撮影では真価を発揮『APS-C機』
デジタルカメラ黎明期から活躍しているAPS-C機。当時と比べると技術が進歩し、表現力が大きく向上しています。
またAPS-C機は生産性に優れており、比較的安い値段で購入が可能です。初心者~ハイアマチュアの使用が想定されているため、取り回しに優れ、操作も簡単でわかりやすくなっています。
APS-C機ならではの強みとして、被写体を大きく撮影できる点が存在します。これはフィルムカメラ・フルサイズ機と比較して、画角が約1.5倍となるデメリットをメリットとして活用したもの。広角~標準域ではあまり実感できませんが、望遠での撮影の場合、例えば、400㎜の望遠レンズはAPS-C機で使うと約1.5倍の600㎜相当のレンズとして運用できるため、違いを肌で感じられるようになります。
逆にネックとなる広角~標準域の画角の狭さは、撮影者が被写体から離れることで多少解決できます。臨機応変な対応が必要ですね。
レンズのバリエーションの多さも強みの一つ。APS-C機は使用者の多さから様々な焦点距離のレンズが存在し、また装着さえできればフルサイズ用のレンズも使用できます。
総じて使いやすく、望遠での撮影ではフルサイズ機を凌駕する場合もあり、ポテンシャルを秘めたカメラといえるでしょう。
圧倒的な表現力 プロを満足させるフルサイズ機
フィルムカメラとほとんど同じ画角を持つフルサイズ機。センサーサイズ以外の面でも、性能が高く、登場から多くのプロに愛され続けてきました。
APS-C機との比較でまず体感できるのが、広い画角。とくに広角レンズを用いた撮影ではフルサイズが圧倒的に有利となります。またAPS-C機と同じ画角で撮影しようとした場合、被写体に近づくことになるため、相対的にボケが大きくなるのも特徴の一つです。
フルサイズ機はセンサーにおける1画素あたりの面積が大きく、白飛びや黒つぶれが少ない、階調表現に優れた情報を記録できます。
階調表現の広さを『ダイナミックレンジ』とよび、露出をアンダーめに撮影しシャドーをあげる場合の多いデジタルカメラでは、表現力・描写力において重要な能力となってきます。
ダイナミックレンジの広さゆえに、暗い場所でもしっかりと撮影できるのも心強い点です。
但しフルサイズ機でも、むやみに画素を詰め込みすぎると結果的にダイナミックレンジが落ちていくので、カメラを選ぶ際には注意が必要です。撮影した写真を大きいサイズで印刷するのか?など、使用用途をよく考えて選ぶようにしましょう。
APS-C機、フルサイズ機はそれぞれ得意、不得意な状況があり、使い分けることが大切なようです。APS-C機はフルサイズ機の単なる下位互換ではない、というのがおもしろい特徴ですね!
状況に応じてそれぞれを使い分け、快適なカメラライフをおくっていきましょう!
それでは、また!!
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