大切なカメラを脅かす 『カビ』の防止と対処法を解説!

最終更新: 11月2日



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『カビ』とは
・レンズ内の発生する『カビ』。また空気中の汚れが付着する『クモリ』も存在。
・どちらも、皮脂や微生物の死骸・汚れが主な原因。
・こまめに使うこと、適正な湿度と温度の場所で保管することが大切。 
・適正な湿度と温度の環境をつくりだす、『防湿庫』がもっとも有効。
・クリーニングを行えば、『カビ』を除去することが可能。予防にもなる。
・内部に発生した場合は、早めに業者に連絡を。

こんにちは!代田ファクトリ―のタカハシです。今回お話するのは、レンズやカメラの『カビ』について。


じつはレンズとカメラには、食品と同じように『カビ』が生えるんです。気をつけているつもりもすぐ生えてきて、最悪の場合、買い替に発展する可能性も……。そんな事態を起こさないためにも、カビの防止法と生えてしまった場合の対処法をご紹介していきます。


―レンズとカメラを脅かす『カビ』の正体とは?―


レンズのカビ発生のメカニズムは、レンズに付着した皮脂や微生物の死骸に菌が付着して発生する、というもの。また同様のメカニズムや経年変化で、汚れ自体がレンズに影響を及ぼす『クモリ』も発生します。簡単な条件がそろってしまえば、前玉(前のレンズ部分)・後ろ玉(カメラとの接合部にあるレンズ部分)・内部レンズ、どんなところにもあらわれます。


網目模様を描いて拡がっていくのが特徴で、際限なく広がっていってしまう点がカビの恐ろしいところ。最初のうちは写真にも写らず、大きな影響がないため気が付けないことがほとんどです。しかし油断していると、カビがレンズ全体を覆う膜状に繁殖。モヤのかかったピントのゆるい写真しか撮影できなくなってしまいます。


レンズに発生したカビ

またそのまま使い続けると、カビがレンズを伝ってカメラ本体へ侵入、センサーなどにカビが発生することも。こうなってしまうと生産メーカーに修理を依頼するしか手段がありませんが、センサーの交換は高額or受け付けていないため、最悪の場合せっかく買ったカメラを買い替えなければならない、といった事態に陥ってしまいます。


とはいえ買い替えまでいたってしまう事態は、ほんとうのほんとうに最悪の場合。想定しておくことは大切ですが、めったに起こるものではありません。


では、カビの影響でもっとも体験するであろう事態は何か? というと、中古カメラ屋さんに売りに出したとき査定金額が大幅に下落する、といった状況。レンズなどカメラ関係の機材はいわずもがな高いので、新しい機材を買うときは今まで使っていた物を売る場合が多いのです。そんなときに出くわしやすいのが、カビによる査定金額の下落。愛着あるレンズを泣く泣く手放したのに、これではやるせない気持ちになってしまいます。



レンズのカビは光に透かすことで確認できる

僕も先日、新しいレンズを買うため、中古カメラ屋さんに以前までのレンズを売りに出したのですが、カビが生えているといわれ価格も最低のものとなってしまいました。買い替えなので値段に対するダメージは浅かったのですが、自身の管理方法が間違っていたのかと不安でいっぱいに。家に帰ってすぐ、他のレンズやカメラの状態を確認しました。



―強敵『カビ』を撃退 効果的な防止方法―


どのようにすればカビを防ぐことができるのか? そのためにはカビのは発生する仕組みを理解する必要があります。


カビは最初の段落にあるように、レンズに付着した汚れや皮脂にカビ菌が付着することで繁殖します。ここでポイントとなってくるのが、汚れがレンズに定着していること。汚れがレンズに落ち着いてしまうことで、カビが繁殖する時間を与えてしまうのです。

またカビはイメージ通り、湿気のある温かい場所を好みます。具体的には気温20〜30℃、湿度60%以上


これらの条件をそろえないよう工夫することで、カビの発生を防ぐことができます。ここでは簡単な方法から本格な対策まで、代表的な対策を3つをご紹介します。


1・使ってあげる

レンズをそれぞれ使ってあげることで、内部の空気を入れ替えカビの繁殖を抑えます。中古カメラショップの店員さんがいつもレンズで作業しているのはこのため。すごく簡単でコストもかからないのですが、かなり効果を発揮する方法。必然的に撮影が増えるためスキルも上がって一石二鳥……かも……??



2・風通しのいい場所に保管する

とはいえ撮影機会を捻出するのはなかなか難しいこと。あまり撮影に出かけられないときは、風通しのいい乾燥した場所に保管することが大切です。

風通しのいい場所は先ほどの理由と同じ、できるだけ空気を入れ替えるため。多少、気温の上昇も抑えられます。また乾燥した場所は湿気を低く保つ狙いがあります。レンズ・カメラの保存に最適な40%~50%の湿度を目安に、風通しのいい保管場所を設けましょう。とくにカメラバッグや押し入れなどに保管するのは厳禁です。風通しの居場所がなくともバッグから出して机に置くなど、とにかく密閉した場所での保管を避けるようにしてください。


このままでの保存は絶対に避けよう。

3・防湿庫を購入する

もっとも効果があり、確実な方法です。防湿庫とは、レンズ・カメラの保存を目的に作られた保管庫のこと。電源につないで運用することで、保管に最適な湿度・温度をつくり、先ほどとは逆に密閉することで最適な環境を保ちます。またメーターで内部の状況を確認することが可能。『カビ』の発生を抑えるのに効果的な方法なのですが、最低でも1万円以上かかってしまうのが悩ましいところ。


防湿庫には『密閉型』と呼ばれる、乾燥材を入れるためのスペースとアナログ湿度計を備えた廉価盤も存在。定期的にカメラ用乾燥材を入れ替える手間がかかりますが、数千円で販売されており簡単に手に入れられます。



ただし気を付けてもらいたいのが、自作で『密閉型』防湿庫をつくること。具体的にはタッパーに食品用乾燥材を入れた物などがあげられます。じつはレンズ・カメラにとって、乾燥しすぎてしまうのも良い状態ではありません。レンズのコーティングや各所の接着がもろくなってしまい、かえってコンディションを悪くしてしまう可能性があるのです。



―もしカビが生えてしまったら カビの除去方法―


それでもカビが生えてしまったら……。レンズ表面にはっせいしてしまった場合、可能な限りはやめにカメラのクリーニングセットを用いてキレイしてあげましょう。カビが生えたときに限らず、できれば日々の撮影後など定期的にクリーニングしてあげたいところです。


今回用いたのは、最寄りの中古カメラ屋さんに売っていたこのキット。



内容は

  • ブロアー

  • クロス

  • レンズクリーナー(以下・クリーナー)

  • クリーニングペーパー(以下・ペーパー)

  • 綿棒

でした。そのほかのキットもおおきく内容は変わらず、使い方も同じです。

今回キレイにしていくのは、自機で使えるオールドレンズ。30年ほど前のものなので、特に気を使っていきたいレンズです。また本体もきれいにしていきます。


今回は自機を使っての解説

①まずはブロアーで付着したゴミを吹き飛ばします。はじめブロアーを使っておかないと、例えば砂粒など硬いゴミがついていたとき、レンズを削ってしまうということになりかねません。



②つぎにクリーナーを2プッシュほど吹き付けたペーパーで、内側から外側へ回すように吹いていきます。その後、乾いたペーパーで同じように拭き、水気をとります。



③もう一度ブロアーを吹き繊維を飛ばしたら、レンズキャップを装着して終了。


前玉がおわったら後ろ玉も行います。手が届きにくいズームレンズの後ろ玉は綿棒にペーパーを巻き付けて清掃。



最後に外装をクロスで拭いて、クリーニングは完了です!



本体のクリーニングも、同じように内部をブロアーできれいにし、外装をクロスで吹き上げ。センサーやミラーは傷つけてしまう危険性が高いのでペーパーで拭くことはしません。またレンズとの接合部に汚れがあると、オートフォーカスに影響が出るため、念入りにきれいにしていきます。(このレンズはオートフォーカスないのですが……。)



しかしクリーニングで対処できるのは、レンズ・カメラともに表面の汚れやカビのみ。もし内部にできてしまった場合は、メーカーへオーバーホールの依頼をしましょう。自力でレンズを分解し清掃できなくもないのですが、リスクが大きすぎるため、あまりおすすめできません。


また近年では、中古カメラショップなどでもクリーニングを行っているお店があります。自力では厳しいな……と思ったら、それら業者さんへ依頼するのがおすすめです。


https://www.kitamura.jp/service/maintenance/ (カメラのキタムラ メンテナンスサービス)

https://www.mapcamera.com/html/afterservice/afterservice.html (マップカメラ 各種修理)


『カビ』の発生しやすさは、つくりにより差異が発生するため一概には言えませんが、ズームレンズに起こる場合が多いようです。理由は鏡筒(ズームをかけるときに現れる部分)を伸ばす際、周りの空気を吸い込むため。空気と一緒に、皮脂や汚れも吸い込んでしまうのです。


使うにしても売るにしてもレンズを大切に扱うため、定期的にクリーニングして最適な環境で保管してあげるようにしましょう。


それでは、また!!

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