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便利な『ズーム』か、作品づくりの『単焦点』か…… 仕組みから見るレンズの特徴とは? 『オールドレンズ』についても解説します!!

執筆者の写真: タカハシコウキタカハシコウキ

*point*
『レンズの種類』とは
・レンズは何枚ものガラスで構成されている。
・光を効果的に屈折させることで、カメラは目の前の光景を写真に記録している。 
・『ズームレンズ』は画角が変動し便利な反面、望遠時に設定の制限がかかる。
・『単焦点レンズ』は画角が固定されているため、扱いが難しいが、美しい映りが得られる。F値を明るく(F1.4など)に設定できるのも特徴。
・『オールドレンズ』とは明確な定義が決まっていないが、フィルム時代のレンズ。『ゴースト』や『フレア』が発生しやすい。

近年、購入しやすい価格で販売されている一眼カメラ。趣味や仕事で、または「なんとなく」カメラを買ってみたという方も多いのではないでしょうか?


使い慣れてくると、だんだんと最初のレンズでは満足できなくなってしまうものですよね。しかし買い替えようにも、レンズの種類が多すぎて混乱してしまうのも事実。レンズは高価な品物のため、できれば間違った選択はしたくないところです。


そこで今回は以前お話した“レンズの種類”と連動して、『ズームレンズ』と『単焦点レンズ』、そして最近話題の『オールドレンズ』の特徴についてお話していきます。


それぞれの良さを理解して、自分にあったレンズを選んでいきましょう!!


 

レンズで交換で広がる表現の幅


本題に入る前にまずはレンズの仕組みをお話していきます。レンズとは一眼カメラの象徴ともいえる、細長い円柱状の筒のこと。一眼カメラは、レンズを交換する方式を採用しており、用途に合わせレンズ付け替えると、まるで違った画角や映りの写真を撮影できるのです。


レンズによって画角・映りが変わってくるのには、レンズ内部のガラスに秘密があります。


細長い円柱状の筒は、『鏡筒』と呼ばれ、中には複数枚の形の違うガラスが内蔵されています。1枚のガラスだけでは、不自然な光のズレが生じてしまうため、どうしても複数枚、細かく調整されたガラスを内蔵する必要があるのです。


また撮影の際は、ガラス同士の距離が変化しピントの調節が行われています。




どんな瞬間もおまかせあれ 臨機応変『ズームレンズ』

より多くのガラスを内蔵し、ピント調節の機能を応用すれば、焦点距離の変更が可能となってきます。


そのようなレンズを『ズームレンズ』と呼び、立ち位置を変えずに画角を変えられるため、1本で多くのシチュエーションに対応できるのが特徴です。旅行やイベントなどでオススメのレンズと言えるでしょう。



(ズーム倍率を変えるだけで手軽に画を変えられるのが特徴です)

一枚の“画”をつくりあげる 一写入魂『単焦点レンズ』


どんな瞬間でも臨機応変に撮影できるズームレンズ。しかし光にとって、ズームレンズのように複雑に組み合わさったガラスを通過するのは、好ましい状況ではありません。

必要以上の屈折は、像をぶらし、モヤのかかったような写真をつくりあげてしまうのです。


記事の冒頭でご説明したレンズの仕組みを踏まえると、光を正確に捉えるには、ガラスが多すぎても少なすぎてもいけないんですね。


そこで、ガラスを最小枚数まで減らし、焦点距離の変更機能を省いたレンズを『単焦点レンズ』とよびます。


(マクロレンズの多くは単焦点レンズに分類されます)

単焦点レンズはズームレンズの汎用性を手放した代わりに、美しく撮影する機能に特化し、シャープな映りとF値を明るく(F1.4など)設定できるのが特徴です。

画角が固定されているため、設定だけでなく構図にも考えを巡らせる必要があり、「一枚の写真を撮る」より「一枚の“画”をつくる」といった表現が適切。広告写真だったり、プロフィール写真だったり、「ここぞ!」という一枚を撮影する際に最適なレンズといえるでしょう。




話題の『オールドレンズ』ってどんなレンズなの?

さて、フィルムカメラブームが到来し、過去のレンズ用アダプタなどが販売されている現在、『オールドレンズ』というジャンルが話題になりつつあります。


『オールドレンズ』はひとまとめにいうと、“フィルムカメラ時代のレンズ”のこと。


(オールドレンズは社内になかったため、筆者のカメラを代用しました)

(オールドレンズはフィルム時代のレンズのため、絞りをレンズ側で決めるための『絞りリング』が存在しています)

マニュアルフォーカスが大半ですが、後期に発売されたものはオートフォーカス機能を搭載しています。


個体差はあるものの、ふわっとした線と優しい色合いの写真が特徴。30年以上も前の技術で製作されているため、表面のコーティングやガラスの調整が荒削りで、味のある独特な描写が生まれているのです。


また、太陽光が反射して発生する『ゴースト』や『フレア』が出やすいのも特徴の一つでしょう。ゴーストは、マンガやアニメで見られる八角形ほどの太陽の光をイメージすると分かりやすいでしょうか?フレアは現実には存在しない、マゼンタやグリーンの光のことを指します。


当時のカメラマンを悩ませた障害ですが、こちらは近年、“エモい”テクニックとして人気を集めています。

なかなか難しい『ゴースト』・『フレア』の発生ですが、太陽を画面端に入れ、F値を絞ってあげると発生させやすくなります。機会があったら試してみてくださいね!(あまり太陽を直視しすぎると視力に影響を及ぼすのでご注意ください。)


 

2回にわたってお届けしたレンズの種類について、いかがでしたか?


カメラ初心者の方で「もっと写真を楽しみたい!!」とお考えの場合は、50mmの単焦点レンズがおすすめです。開放にすれば大きなボケが得られ、写真の魅力をさらに楽しみことができますよ!


「映りはこのままでいいから、いろいろな場面に対応したいなぁ」という方は、キットレンズより画角の変動幅が大きい、18mm~200mm程度のズームレンズがおすすめです。

一本あれば、旅行から社内のプレゼンの様子、商品の撮影まで、幅広い用途で活躍することでしょう。


みなさんそれぞれご希望にあったレンズを購入して、撮影を楽しんでくださいね!


それでは、また!!





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