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機動性、使いやすさに優れたカメラ外付けのストロボ『スピードライト』 選び方をわかりやすく解説します!

更新日:2021年6月24日


スピードライトのついた一眼レフカメラ cannon 90D

*point*
『スピードライト』の選び方とは
・スピードライトは、露出差が厳しいときほど役に立つ
・スピードライトは自機に対応したものを買う
・『純正品』なら安心して使える。
・『サードパーティー製』は安いがそれなりに覚悟が必要
・『GN(ガイドナンバー)』はストロボの光の強さを表すのに使われる単位
・できるだけGNの大きいスピードライトを買うのがいい
・GNの仕組みを知ることで、撮影可能距離を導き出せる


結婚式や室内でのイベント撮影や商品撮影の際、写真が暗くなってしまったり、色が濃く映ってしまったり……という経験はありませんか?実はその悩み、光量不足が原因で引き起こされています。室内を照らす電灯の明かりは意外と弱く、カメラにとってかなり難しい環境なんです。


撮影における光量不足の悩みを解決するのが、『ストロボ』を用いた光量の増加。上手に使えるようになれば、光と影のグラデーションが美しい、プロ顔並みの写真を撮影できるようになります。


今回は、移動や持ち運びに便利で初心者にも扱いやすい『スピードライト』の“選び方”に重点を置いて解説していきます。


自分にあった機材をゲットして、どんなシチュエーションにも対応できちゃうカメラマンを目指していきましょう。

 

ボケもブレもノイズもあきらめない!『クリップオンストロボ』を使う意味


携帯に便利でお手軽に光量不足の悩みを解決できるのが『スピードライト』、『クリップオンストロボ』と呼ばれる場合もあります。


スピードライトは結婚式や飲み会など、暗い場所で動き回る撮影で特に効果を発揮。ただし便利な点だけでなく、使い方を誤ると被写体だけが浮き上がって見える不思議な写真ができてしまうので注意が必要です。


夜間の撮影 スピードライト 失敗例

(光量を強くした場合。被写体が浮きあがって見える)

夜間の撮影 スピードライト 成功例

(そのほかの設定で光量を補いつつ、被写体を照らした)

夜間の撮影 スピードライト無し

(上の写真と同じ設定でスピードライトを使わないとこのような映りとなる)


「光量不足なら不思議な写真をつくるリスクより、露光をあげて明るくすればいいんじゃないの??」

過去のコラムを読んでいただいた方なら、そう思われるかもしれません。


しかし、光量が足りないからといって

・F値を開けすぎてしまえば背景だけでなく被写体がボケてしまい

・シャッタースピードを遅くすると被写体がブレて

・ISO感度をあげると今度はノイズが発生

してしまいます。


光量不足の場所で

・被写体をぼかすことなくしっかりと映す

・ブレを抑えて撮る

・ノイズを発生させずに、シャープに映す。

そのためにはストロボやスピードライトを用いて光を補い、ときにはメインの光源に設定して、美しいライティングをつくりあげていく作業が必要となってくるのです。


露光について解説した、ISO感度・F値・シャッタースピード、それぞれの記事


自機にあったストロボを探す スピードライトの選び方~ホットシュー編~


さて、スピードライトを使うねらいがわかったところで、次のステップは「どんなスピードライトを使えばいいのか?」ということ。


スピードライトは基本的に、カメラのホットシューと呼ばれる場所に装着して使用します。また、より自然な光を得るためには壁や天井に光を反射させてあげると効果的です。


内臓フラッシュと同じ扱いのため、まずは自分が使っているカメラに対応したスピードライトから探さなければなりません。また反射させる都合で、発光部分、つまりヘッドが回転するものを選ぶといいでしょう。


一番安全で確実な探し方は、純正品と呼ばれる商品から探しはじめる方法


例えば、

Cannonのカメラを使っているなら、Cannonのスピードライトを

NikonならNikonのものを

同じように、PENTAXやSony、fuji、LUMIX、Olympus、と、それぞれのメーカー・ブランドが販売しているスピードライトから選んでいきます。(メーカー・ブランドによっては、『クリップオンストロボ』の名称で売られている場合も。)


cannon スピードライト 

それぞれカメラ会社から販売されている商品である『純正品』。自社のカメラ用に開発されているので、動作保証はもちろん、無線での発光など、性能へ不満を持つことはほとんどないでしょう。


しかし純正品は保証などがしっかりしている分、高価なのが悩ましい点。そこで候補に入ってくるのが、Godoxやyongnuoなどのカメラメーカー以外のブランドから発売されている、いわゆる『サードパーティー製』の機材です。


yongnuo スピードライト

スピードライトに限らず、モノブロック式のストロボやレンズなど、サードパーティー製の商品は安価で入手しやすいといった特徴があります。しかし突然のサポート終了や、海外のメーカーが販売している場合は説明書が英語だったり、そもそも補償が無かったりとリスクも存在するため、安さと引き換えにある程度の覚悟が必要。

また対応している機種もサードパーティー製の場合、ブランドや商品によってまちまちのため、しっかりとした調査も重要となってきます。


強い光は正義!! スピードライトの選び方~ガイドナンバー(GN)編~


自機で使えるスピードライトの探した方でもう一つ重要なのが、ガイドナンバー(以下・GN)というもの。数字が大きいほど強い発光能力を表します。


実際の使用場面では発光量の強さが調節でき、撮影環境や写真をもとに調節していくため、「大は小を兼ねる」の考えで、とりあえず大きいGNのスピードライト買っておけば心配ありません。


とはいえGN自体がおもしろい話のため、このままは解説を続けていきます。頭の片隅に留めておくと、いつか何かのときに役に立つかもしれません。(笑)


GNはもともと発光量を表す単位ではなく、「ISO100感度でストロボを使用した時に、どのくらい離れた(m)被写体を、どの絞り(F値)なら適正露出で撮影できるか」を表す単位でした。

計算式ではこのようにあらわせます。


「撮影者から被写体までの距離(m)×設定したいF値=必要なGN」


ちなみに、ストロボには『同調速度』とよばれるものがあり、1/200~1/125にシャッタースピードに設定されるため、ここではシャッタースピードを考慮しません。(あくまで理論上の話であり、実際の現場では考慮される場合もあります。


例えば

カメラ内蔵ストロボがGN12、F値を8に設定したい、という場合は


距離(m)×F値=GN

を組み替えて、

GN÷F値=距離(m)

それぞれ数字を当てはめて

12÷8=1.5


GN12、F値を8で撮影したい場合は1.5mの距離で適正露出が得られると導き出せるのです。


スピードライトの場合は、設定で照射角(mm)を入力でき、ガイドナンバーの変更が可能。照射角(mm)に応じたガイドナンバーは、基本的に取扱説明書に明記してあり、レンズの焦点距離のように、大きい数字ほど遠くの被写体に効果を発揮します。


例えばこちらの、Cannonのスピードライト「スピードライト 600 EX-Ⅱ-RT」

スピードライト 600 EX-Ⅱ-RT



14㎜から200㎜の照射角に対応し、取り扱い説明書では、最大の200mmでGNが60と表記されています。


先ほどの例と同じで、F値を8で撮影する場合、

60÷8=7.5


となり、7.5m離れた被写体を撮影する際に適正露出が得られる計算になります。


ちなみに、この記事の一番の最初の前提条件とずれてしまいますが、F値を1.4、照射角を200mm(GN60)とした場合、

60÷1.4=42.8


となり、約43m離れた被写体が撮影できることになります。


またGNはカメラ側のISO感度を大きく設定すると、その分増幅させることが可能。ISO感度によるGNの増加幅は、『ISO感度係数』をもとに、GNかけることで求められます。ISO100を1とした場合、ISO200で1.4倍、ISO400で2倍、ISO800で2.8倍……といように増えていくわけです。


例えばF値を1.4でISO感度6400に設定して撮影した場合、理論上とんでもなく遠くの被写体を撮影できるのです。仮定の話とはいえ、ロマンが止まりませんね……。


(もし計算したい方がいましたら、こちらにISO感度係数について記載のあったNikonのスピードライト「SB-910」の取り扱い説明書も掲載しておきますのでご参照ください。ISO感度係数はブランド・メーカーによって変動しないため計算可能です。)

ISO感度係数

SB-910

 

「ライティングを使いこなしたい!」と思ったら、まず通る道であり、結婚式や飲み会の撮影でも役に立つスピードライト。しかし自機で使えるスピードライトを探すだけでも、なかなか難しいものです。

「急に暗い室内での撮影を頼まれてしまった……。」という状況では、探す段階でうんざりしてしまいますよね。


そんなときは弊社にご相談ください!プロのカメラマンがしっかりとした機材で対応し、ステキなお写真を撮影いたします!


次回はこの記事“スピードライトの選び方”と連動した“スピードライトの使い方”をご紹介していきます!


それではまた!!



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