『スーパー解像度』とは
・写真を構成する最小単位・画素を4倍に増やすツール。
・画素が増えるとA1など大きなサイズの印刷も可能になる。
・『Photoshop』や『Bridge』の場合はプラグイン『Camera Raw』を起動、
『Lightroom』・『LightroomClassic』の場合は普段の画面から直接行える。
・それぞれのアプリから画像を右クリック。『強化』から選択すると処理が始まる。
・Photoshopの『Camera Rawフィルター』は、別のプラグインのため注意
・生成されるデータサイズは巨大な為、時間とPCの容量に余裕をもって行うとよい。
「大きいサイズで印刷したいけれどフルサイズ機は用意できない……」と、画素数の問題でお困りではないでしょうか?
じつはそのお悩み、近年Photoshopなどに追加されたある機能を用いれば一瞬で解決できてしまうんです。
本記事では画素のお悩みを解決する、Photoshopなどの機能『スーパー解像度』と、その使い方についてご紹介していきます!!
画素数を4倍 魔法の技術『スーパー解像度』
画素数の問題を解決し、大きいサイズの印刷を可能にしてくれる機能とは、『Photoshop』などに搭載されている『スーパー解像度』機能。
Adobe社の持つ機会学習機能を応用し、画素を補うために必要な情報を生み出し、疑似的に画素数を向上させるという技術です。
(Adobe Blog:https://blog.adobe.com/jp/publish/2021/03/10/cc-photo-from-the-acr-team-super-resolution.html#gs.08nt5z )
スーパー解像度の処理を施すと、縦横それぞれの画素(ピクセル)が2倍となり、縦2倍×横2倍で計4倍画素数となります。
例えばcanonのAPS-Cカメラ・90Dの画素数・約3250万画素の写真にスーパー解像度機能を使うと、約3250万×4となり、約1億8千万画素のデータが完成。中判カメラでしか実現できなかった、A1サイズまでの印刷に対応できるようになるのです。
いざ実行!! スーパー解像度
さて仕組みが分かったところで、実際にスーパー解像度を画像に施していきましょう。
スーパー解像度は、PhotoshopでRawデータを開いた際に起動するソフト『Bridge』の『Camer raw』 や、Lightroom・LightroomClassicの機能です。
もしJpegなどのデータに処理を加えたい場合は、『Bridge』から、該当データを選択し『Camera Raw』を起動、スーパー解像度を適用していきます。
『Lightroom』・『LightroomClassic』の場合は通常の画面から、Raw・Jpegともに、通常の画面から処理を施せます。
データ形式を気にしなくていいため、Lightroom・LightroomClassicのほうがお手軽にスーパー解像度を適用できますね。
注意していただきたいのがCamera Rawと、Photoshopの機能の一つ『Camera Rawフィルター』とは全くの別物だということ。Camera RawフィルターはあくまでCamera Rawの効果をフィルターとして施すツールのため、スーパー解像度は搭載されていません。
古いカメラで撮影したJpegの画素数を増加させたい場合などは、必ずBridgeからCamera RawまたはLightroom・LightroomClassicで開くようにしましょう。
Camera Rawなどで画像を開いた後の手順はとっても簡単。画像にカーソルを合わせ右クリックでメニューを呼び出し、“強化”を選択、スーパー解像度にチェックをし、実行するだけです。
作業が完了すると元のファイルとは別にDNGファイルが書き出され、改めてJpegに変換することで、元画像の4倍の画素数をもったデータが生成できます。
とっても便利なスーパー解像度 ただし乱用は禁物……??
画素数を後から増やせる魔法のような機能・スーパー解像度。しかし使ってみたところ、弱点も存在するようです。
まず1つ目は、4倍の画像を生成する過程でDNGファイルを経由しなければならない、という点。4倍の画素数のデータともなると、通常のJpegとくらべてはるかに膨大なデータサイズとなります。
そのうえ、さらにデータ量の多いDNG形式の書き出しを経由しなければならないため、PCの性能によっては一時的に処理速度が低下。作業に支障が出やすくなってしまいます。スーパー解像度を使う場合は、あらかじめ他のソフトを閉じておくなど、時間と要領に余裕をもって行いましょう。
またもう一つの欠点として、Jpegに処理を施した場合、体感ではありますが毛先や芝生の隙間など、細かい部分の処理が不自然になるように感じます。
例えばこちらの、Jpegにスーパー解像度の処理を施した写真。
データ上だと気になりませんが、拡大すると、赤い四角で囲った部分のカクカクとした処理(薄いフリンジ?)が目立っているように感じます。
この点は、この先Adobe社のサーバーに上がる画像が増えAIの学習が進めば改善されるのかもしれませんが、現時点では注意が必要でしょう。
過去のデータはある程度仕方がありませんが、スーパー解像度を用いる場合はできるだけ、Rawデータの段階で処理を行っていくようにしましょう。
これからは、とつぜん大きな画像データを要求されても、スーパー解像度があれば簡単に対処できます。有効に活用してきたいですね!!
それでは、また!!
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