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『画素』とは
・写真を構成する情報のこと『ピクセル』ともいう。
・1インチにどのくらいの情報を記録できるかを『PPI』という。
・しかし画質にはあまり関係ない
・画質に関係あるのは、写真を出力する『ドット』そして、1インチでどのくらい
出力できるかを表す『DPI』
・印刷の場合には、『線数』で画像のきれいさが決まる。
・線数を2倍すると最適DPIが算出できる
・A4サイズ程度ならほとんどのカメラで印刷可能
こんにちは!代田ファクトリ―のタカハシです!!
今回はカメラの用語解説。テーマは『画素』について。
画素といえば、電気屋さんやカタログで、カメラの説明に用いられる用語。「なんとなく、高いほうが良い写真が撮れる」というイメージを持ている方も多いのではないでしょうか? じつはそれ、あまり正しい考え方ではないんです。場合によっては小さい画素の方がいい可能性も……。
よく見かけるけれど、実のところよくわからない『画素』、そして今回は記録形式や印刷についても、詳しく学んでいきます!!
※12月4日 専門家の意見を受けて、トップ画像、記事後半画像のdpiの値を、300→350へ 200→250、および記事中盤の一部内容を訂正いたしました。
情報を記録する『ピクセル』『ppi』
カメラの性能説明によく使われている『画素数』。『画素』とは『ピクセル』(px)とも呼ばれ、画素一つ一つが並ぶことで、画像が構成されています。画像の素と書くことからも「画像を構成する最小の単位」といったイメージがわかりやすいところでしょうか?
そして画素数は、撮影した光景をどのくらいのピクセルで記録するのか? という数値を現わしています。
カメラの場合、画素数とは「センサーを最大限用いた場合に、どのくらいのピクセルを使って画像を記録できるかを示す数値」。数字が高ければ高いほど、写真を構成するピクセルが増え、目に見えないような細部まで描写されるようになります。
例えば、こちらは4000px×6000px=2400万px(画素)のカメラで撮影した画像。かなり拡大しても、被写体の情報がしっかりと映し出されています。
画素数の高さを表すのには、1インチにどのくらいピクセル情報を詰められるか? を表す『ppi』(ピクセルパーインチ)が使われることも。
ここまできくと自然に「画素は高ければ高いほど良い」と考えてしまうのが、カメラの厄介なところ。じっさい僕もカメラを購入するとき、高画素のカメラであればあるほど写真は良いものになっていくのだと思っていました。
しかし実際は「高画質な写真=高画素」ではなく、なんでもかんでも高画素の方が良い、となるわけでもありません。じつは写真の繊細な描写には、別の概念である『DPI』、そしてそれを構成する『ドット』が深く関係してくるのです。
画像を出力する『ドット』『dpi』
『dpi』(ドットパーインチ)とは、出力装置が1インチにどれだけの情報を表示できるか? をあらわす能力のこと、『解像度』とも。またPCなど出力装置が表示できる最小の情報を『ドット』と呼びます。この辺りの考え方は、先ほどのピクセル(画素)と同じですね。
さて、撮影した画像は、カメラでみるにせよPCやTVなどのモニターで確認するにせよ、情報を表示する出力装置を経由しています。出力装置が表示する画像はdpiによって違いが発生。低ければガサついた画像が出力され、高ければなめらかで繊細な画像が表示されるのです。
ここで少し思い出していただきたいのが、先ほどの段落。画素数の解説をした際、10倍まで写真を拡大して、通常サイズではわからなかった繊細さを確認しましたよね? これはいいかえると、写真を拡大した結果、新たな情報が表示されたということ。つまりカメラで撮影した写真には、画面で出力される以上の超微細な情報が記録されているのです。
この状況を例えば料理に置き換えると、素材はたくさんあるのに、料理しきれず余らせてしまっているような状態。カメラが記録した高画素な情報という素材は、出力装置・PCなどのモニターなどにとってdpiの性質上、手に余る素材というわけです。
この関係は、情報を記録するソフト面のピクセル・ppi、情報を出力するハード面のドット・dpiと考えると分かりやすいかもしれません。
結論として、画質に一番大きな影響を与えるのは最終的に出力する部分であり、カメラはあまり関係ないようす。もちろん画素数が多ければ、情報として光のグラデーションが記録されるためレタッチやトリミング次第ではキレイな写真になりますが、大抵は出力されないので意味がありません。
あんなデカデカと書かれているのになんだか肩透かしを食らった気分ですよね……。
何画素でどのくらいの印刷ができるのか!? 印刷可能サイズをご紹介!!
ではカメラが最大記録サイズで記録した場合、どのくらいのモニターの大きさであれば、情報を余すことなく表示できるのでしょうか?
一般的にPCのdpiは72dpiとされています。dpiを使った表示サイズの考え方には、数学のように公式が存在。
ピクセル数÷dpi×25.4mm=表示可能サイズ(mm)
(25.4mm=1インチ)
これに代田ファクトリ―にある中級クラスのカメラ・2400万画素のEOS 80D (横・6000px、縦4000px)を当てはめて計算、すると……、
6000÷72×25.4mm=2117...mm
4000÷72×25.4mm=1411...mm
四捨五入して、横・約2.1メートル、縦・約1.4メートルとなります。でかいですね……。拡大・トリミングなどはできない状態ですが、ロマンが止まりません。
印刷では、人の目でとらえられる滑らかさは、『線数』という単位で175線が最適とされており、dpiは約2倍、350dpiでの印刷が推奨されています。
そのため今回は現実的な数字・350dpiで計算。先ほどと同じようにEOS 80Dのスペックを(横・6000px、縦4000px)当てはめていきます。
6000÷350×25.4mm=435.4.....mm
4000÷350×25.4mm=290.2.....mm
印刷可能サイズなので切り捨てて寸法にすると、長辺・435mm×短辺・290mm。用紙サイズで考えると、A4サイズは余裕でクリアできるけど、A3サイズにはちょっと足りないといった感じ。ただしA2~A0の大判ポスターなどで使う場合、離れて見ることを想定していくので、必要なdpiは250程度に低下していきます。
印刷可能サイズからみた必要なサイズを計算することもできそうなので、このまま計算していってみましょう!!(A2~A0は250dpiと350dpiでそれぞれ計算します。)
※12月4日 専門家の意見を受けて、トップ画像、記事後半画像のdpiの値を、300→350へ 200→250、および一部内容を訂正いたしました。
よく宣伝される解像度の高さですが、意図を持って使い分けることが重要なポイントのようです。
画像サイズが大きすぎると読み込みや処理に時間がかかったり、SDカード内の容量を圧迫してしまうなどの事態が発生。かといって、あまりに小さすぎる画像サイズだと、拡大・トリミングなどができなくなってしまうという問題点も。撮影の際に、用途に合った記録サイズを選んで使うことがおすすめです。
また繊細な写真を撮影するしたい場合は、機材の買い替えより先に、モニター上で表示できるようにライティングの工夫や、レタッチでシャープネスをかけるなどして、被写体の境界線を強調することを心がけてみましょう。
……とはいえ、印刷については少し納得がいかない面も……。というのもdpiの基準は、人の目で認識できない滑らかさ、という根拠で決められています。
では果たして、根拠に用いられている距離はどのくらいなのでしょうか? 極端に言えば、300dpi、A4サイズのポスターでも、1cmの至近距離で見て場合、粒になって見えてくるはずです
例えばこちらのポスター。この距離で見るとキレイですが、近くで見ると色の粒が見えてきます。
dpiと距離の関係……気になるところです。次回以降、お友達の印刷屋さんのお話を伺えた場合は、記事にしますね!
それでは、また!!
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