柔らかさもクールさも『WB』で広がる写真表現【基礎編】

最終更新: 9月19日

撮影スタジオ代田ファクトリ―・スタッフのタカハシが、むずかしいカメラ用語を解説していきます。じつはカメラ歴ほぼ一年の筆者。解説なんて偉そうなことを言いつつ、内心「学べて、記事も書ける。一石二鳥でラッキー」と思っています。うますぎる。


さて今回は『色温度』そして『ホワイトバランス』(以下・WB)についての解説!


カメラを楽しんでいる方のなかには、なんとなくオートホワイトバランス(AWB)のまま撮影している、という方も多いのではないでしょうか?? そのままでも十分楽しむことは可能ですが、WBを知ればもっと深く、カメラを楽しむことができるんです。



―『色温度』ってなに?

生活する中で目に見えているものは、すべて光を反射することで目に見えています。記事にしてはめずらしい“すべて”という表現。なぜなら例外がまったくないから。遥か彼方の星ですら光を発しているため見えているのです。


また、真っ暗の状況だと何も見えないのは、反射する光がないため。光が反射してこないことから目は光を取り込むことができず、何も視認できないのです。


これは余談ですが、深海にはほとんど光が差し込まないため、深海にすむ魚にほとんど目が機能していません。代わりに「だったらほかの感覚を鋭くしよう」と、深海魚たちには嗅覚が以上に発達したり、ぎりぎり退化しきってない目に訴えかけるべく発光する機関を作り出したり、と独特な魚が多いんです。生物の進化ってすごいなぁ……。



(実物はちょっとアレだったので“イラストや”さんのチョウチンアンコウを使いました。かわいい……。)



さて視覚情報を支えている光は、それぞれ色を持っています。それらを表す指標が『色温度』・数値はK(ケルビン)数値が低ければ暖かくなり、高ければ冷たい色味を帯びます。一般的な温度から受ける色のイメージとは逆ですね。炎の色と同じと考えればわかりやすいでしょうか。

現実に存在する光は様々な色温度を持っていて、時・場所・状況によって目まぐるしく変化します。


しかし体感ではでは大きな違いはなく、あるとしても意識しない程度である場合がほとんど。グラフのように色に差があるなんて、さすがに信じられません。いったいなぜなのでしょうか?





ヒミツは人間の脳にあります。


人間は目でみた情報を形や言語、知識などから脳で即座に記憶とむすびつけ、さまざまな環境下でも無意識に正しい色を認識しているのです。要するにこれまでの記憶からそれっぽい色を予測で再現しているのです。人間の脳ってすごいですよね。


例えば白熱電球の下で白い紙を見たときも晴天の下でおなじ紙を見たときも、常におなじ“白”と認識し再現してるため、見た目の違いは雰囲気程度にしかあらわれません。


しかしカメラの場合は話が変わってきます。なぜならカメラは人ではなく機械のため。記憶・知識などの経験がなく、色温度の影響をそのまま受け取ってしまい、状況に応じた正しい色に被写体の補正できないのです。


もしカメラに後ほど解説する機能がなければ、白熱灯下での白い紙はオレンジに映り、晴天下での白い紙は青に映ってしまう、という正確性のカケラもない機械となっていたことでしょう。


色温度を相殺する『ホワイトバランス』

色温度による問題を解決するため、カメラには『ホワイトバランス』(以下・WB)という、機能が備わっています。

WBとは、写真にあらかじめ被写体の色温度と逆の色味を持たせることで色温度を相殺し、正しい“色”、特に基準となる“白を正しい白”としてを映しだす仕組み。色温度の影響をに対して、あえて逆の色温度を足し、中和しているイメージです。


よって低ければ冷たい色、高ければ暖かい色の写真ができあがります。「3000Kのときに正しい色を表示しますよ」というシステムのため、数値・認識が逆の結果となり、ものすごく厄介。理解しにくいカメラ知識の一つといえるでしょう。

(用意されているWBは機種によって様々な種類が存在します。画像はEOS 1Dのもの)


色温度を任意の写真から設定する「マニュアル」のほか、「オート(AWB)」「晴天」「曇天」「白熱灯」「蛍光灯(各種)」などが用意されており、基本的には 「オート」でしっかりと撮影することができます。


(WB:AWB で撮影した場合)


とはいえカメラが判別しにくい環境はけっこう発生するもの。そう考えるとカメラって意外とポンコツですよね……。


なので仕組みを覚えておくに越したことはありません。また撮影環境が変わった直後の撮影ではWBが狂いやすいので、その点も注意が必要です。


―色温度を使いこなそう!!― 


WBは使いこなせれば表現の幅がグッと広がる奥深い機能でもあります。“WBを調整できる”ということは、“WBを意図的にずらす”ことも可能になるということ。それぞれの色温度の特性を知ることで、あえてWBをずらし、テーマにそった空気感や質感を映し出せるようになるのです。


例えば、クールさや涼しさを印象付けたい場合はWBをオートではなく、「白熱灯」や「電球光」することで、写真に青みが増します。また見た目の印象も硬くなるので、夜景などの撮影の際は頭に留めておくといいかもしれません。




(WB:白熱灯 で撮影した場合)


逆に暖かい雰囲気を表したい場合はWBを「日陰」や「曇天」に設定。写真には黄色味がプラスされます。優しく柔らかい印象に仕上がるため、ビジネスでのプロフィールや、思い出の写真などに使うと、より愛着が湧く写真となります。


(WB:日陰 で撮影した場合)


色温度・WBの仕組み、いかがでしたか?? WBを自在に操ることができたら、脱・初心者完了です。


綺麗なモノを撮るだけでなく、どんな風に感動したのか?どんな面影を感じたのか? など、自分の感性を写真で表現してみてもおもしろいかもしれませんね!

それではまた!!


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